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遺伝子治療を求める患者への対応

日曜日, 2月 7th, 2016

医療業界においては、新しい技術開発が著しく進んでいる状況があります。がんや遺伝病・希少疾患を代表として、治療が困難とされる疾患に悩まされる患者たちからは新しい医療技術が生まれることによって、自分の治療が実現されるということが望まれているのは当然のことでしょう。そういう高い期待を受けて、開発が鋭意に進められてきているのです。遺伝子治療は、そういった状況下で新たに浮上してきた医療技術の一つであり、遺伝子を書き換える技術と医療がつながったことによって実現の可能性が見出されてきたものといえます。遺伝子レベルで正常でない部分があることによって、身体の機能に異常が生じてしまっている際、正常な遺伝子を導入することによって治療を実現しようとするアプローチは根本治療となると考えられるために高い期待が持たれています。特に、遺伝病に悩まされる人にとっては救済策として高い期待をもたれ、自分に実施して欲しいとせがむ人も多くなっているのが事実です。しかし、現実としては臨床応用するには、まだ技術的に完全であるとは言いづらい状況があります。そういった発展段階にあるがために、患者の説得に苦労する医師も少なくありません。その医療機関ではそもそも遺伝子治療を実現できないということも、ままあります。そういった患者の説得には遺伝子治療がまだ発展途上にあることを説明した上でその治療を求めるのであれば、実施できる病院へ転院を勧めることが数少ない有効なアプローチとなるでしょう。